Dark Light
終始、冠城さんは目の笑ってない微笑みを私は完璧な営業スマイルを絶やすことはなかった。






無視を決め込んだ私に何を言っても無駄だと思ったのか、








「君がバイト終わる時間まで待ってるね。」







そう言い残して、冠城さんはパンパンの袋を持って、店内からは去っていった。







「…最悪。」







私はポツリと呟いた。







─────────────

「仁那ちゃん、お疲れさま。

今日は本当にありがとね。」






スタッフルームで丁度着替え終わったとき、店長が私に声をかけた。






着替え途中だったらどうするんですか。







「いや…暇だったんで。

明日は17時から来ますね。」







そう伝えながらタイムカードを押す。






「本当に大丈夫?休んでもいいんだよ。

振り替えで。」








「大丈夫ですよ。

それより、早く戻らなきゃ、レジ誰も居ませんよ。」








そう言うと慌てる店長。






「そうだった!ごめん!」






あ……バイクは置いてった方が良いよね。





冠城さんがいるかもだし。







「あ、店長。

バイク、ガレージに置いてっても良いですか?」








店長は、店へと続くドアを開けながら、「いいよー!お疲れー!」と叫んで出ていった。




バイクは昨日、無茶したから一応全部見たけど特に異常はなくて安心した。




にしてもあの人、このあと一人だけど大丈夫なのか?








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