Dark Light
何か聞かれたとして、今の私には彼に答えるメリットも義務もないから。





踵を踏んづけたままだった靴に少しずつ足を入れて、階段を下りる。





1階は昨日下で見てただけでは、分からなかった人数の多さを実感する。





全員、階段を下りる私には気付いていなくてそれぞれ思い思いに過ごしてる。





階段をおりきった私は、1階のフロアを見回して鞄を探す。





ホワイトのショルダーで大きくは無いけど、見つけづらくもないと思うんだけど……。






あ、あった。






それは昨日、あの人に担がれて私が座った黒のソファに置いてあった。







駆け寄って、中身が何も盗られてないかを確認するが、これといって盗られたものも無かった。







これだけ、人がいてこういう集まりだから放っといたら誰かが勝手に盗ってくと思ってた。






と考えていると、後ろから伸びてきた手が私を包んだ。






突然のことにビクッと反応する。






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