美しく優しいお姫様は探偵で
Episode.3
望んでいなくても、朝はやってくる。
今日ほど日が昇ったことを恨んだ日はない。
私は今までより早く、家を出た。
いつも通りのペースで歩ける自信がなかったから。
「今日は出かけるのか?」
アパートの階段を降りていたら、下から声が聞こえてきた。
「……先輩」
「学校か。そこに行くより、警察に行ったほうがいいんじゃないか?」
……え?
どうして警察……?
「早いうちに自首しておくと、罪が軽くなるんだよ」
そんなの、聞いたことない……
というか、先輩にこんなこと言われるなんて思ってもみなかった。
昔の先輩はなにがあっても私の味方でいてくれたのに……