美しく優しいお姫様は探偵で
Episode.4
そして私たちは美城さんの探偵事務所に移動した。
理由はまあ簡単で。
大学内で落ち着いて話すなんて、不可能に近いから。
「凌太さん、お茶をお願いできますか?」
事務所に入ってすぐ、美城さんが皇さんに言った。
「もちろんです」
まるでお嬢様と執事の会話みたいで、違和感が本当にない。
おまけにどちらも美形だから、絵になる。
そして、私、美城さんの順でお茶が出された。
宇佐美さんと皇さんの分はないみたい。
それどころか、二人はソファーに座ってすらない。