美しく優しいお姫様は探偵で



一方、私はチャイムが鳴ってから片付け始めたから、まだ片付いてなかった。





小春ちゃんの急かす声を聞きながら、机の上から物をなくしていく。





「よし、行けるよ」





リュックを背負いながら顔を上げると、小春ちゃんの姿はなかった。




と思ったけど、よく見れば出入り口付近の人混みの中に見慣れた茶髪が揺れていた。





「みんなどうして出ないの?」





小春ちゃんに近付き、尋ねた。





「深津君が廊下にいるの!!」




「深津君……? あ、法学部のイケメン君?」





「そう!」





小春ちゃんは相変わらずミーハーだなあ。


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