美しく優しいお姫様は探偵で
「困りましたね……彼女がいないと始められません」
「推理披露には欠かせないですからね」
……そのためだけに、小春ちゃんを呼んだんですね。
「小春ちゃん、迷ってるのかな……」
「それはありえませんよ」
そんなはっきり否定しなくても。
「姫、なんでありえないの?」
「大学から東雲さんの家に行くには、ここを通るのは絶対。一度東雲さんの家に行った小春さんなら、ここを知っているはずです」
……確かに。
「でもさー。不思議だよね。なんで小春さん、東雲さんの家知ってたんだろう」
「小春さんが東雲さんのあとを付けてたからですよ」