美しく優しいお姫様は探偵で



って、相変わらず言えない私。




呆れてため息が出そう。





「玲奈は……私の恋心をバカにした」





小春ちゃんは私をこれでもかってほど睨んできた。





「え……?」




私、小春ちゃんのことをバカにしたことなんて一度も……





「私が深津君を好きだって言っても、応援するって言ってくれなかった! 絶対内心笑ってたのよ。あんたみたいなやつが、深津君と恋愛できるわけないって……!!」




「違う! 笑ってないよ……私、小春ちゃんがそこまで本気で深津君のこと好きだなんて、知らなかったから……」





それで許される……?




人が誰かを好きになる理由をありえないって決めて、アイドルに対して騒いでるようなものだって自己完結させて。





でも実際、小春ちゃんは本気で深津君のことを好きだったわけで。


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