美しく優しいお姫様は探偵で
なんて私が考えている際中に、小春ちゃんの両手首に手錠がかけられていた。
「小春ちゃん!」
「……なに」
「……ごめんなさい。応援してあげられなくて」
冷たい視線を向けられて、それしか言うことができなかった。
私の言葉に、小春ちゃんの返事はなかった。
小春ちゃんは鈴江さんと階段を降りていった。
「東雲」
小春ちゃんの背中を見つめていたら、先輩が話しかけてきた。
「あの……悪かった。勝手に犯人だって決めつけて。疑うの域を超えてたと思う」
「そう思ってくれただけでいいです」