美しく優しいお姫様は探偵で
小春ちゃんの声で、現実に戻った。
周りを見ると、たくさんの女子が解散していた。
なんか……
すっかり思い出に浸ってた。
「ていうかね! 深津君、一瞬こっち見たの!あれは絶対私を見てたね!」
小春ちゃん……
私は思い出に浸ってたから、勘違いじゃない?とか、そうだね、なんて無責任なこと言えなかった。
「じゃ、行こっ!」
深津君を見たっていうのと、次の授業で帰れるってのが重なって、小春ちゃんは満面の笑みだ。
「……そんなに好き? 深津君のこと」
私はふと、気になったことを聞いてみる。