美しく優しいお姫様は探偵で
Epilogue
それから一週間が過ぎた。
私は助手にならせてもらえなかった。
これ以上人はいらない、だそうで。
私なりに考えてみたんだけど、助手になれないのは、私に役目がないからだと思うの。
私、どこにでもいるような大学生だし。
「東雲。今日もあの探偵事務所に行くのか?」
「深津君」
深津君は事件が解決した数時間後に目を覚まして、昨日退院した。
そして、大学に戻ってきたのはいいんだけど。
なぜか私に話しかけてくるようになった。
前とは違う憎しみのこもった視線が……
でも、話しかけてもらった分には、無視はできない。