美しく優しいお姫様は探偵で
「行くよ。行って、今日こそ助手にしてもらう。だって、なりたいんだもん。美しく優しいお姫様みたいに」
「東雲は十分美しく優しいと思うけどな……」
「なにか言った?」
「いや、なにも」
なにか言うならはっきり言えばいいのに。
ま、今は深津君の相手してる暇はないんだけど。
「東雲、生き生きしてる」
「そう?」
「ああ。前はもっとこう……すべてがつまらない、みたいな顔してたから」
深津君、語彙力なさすぎやしませんか。
「……そこに惹かれたわけだけど」