美しく優しいお姫様は探偵で
深津君はまたボソボソと言った。
「ねえ、絶対なにか言ってるよね? 悪口?」
「ちげーよ」
深津君は少し頬を赤らめながら言った。
なんで照れてるのさ。
にしても……
すべてがつまらない、か……
否定できないや。
自分のやりたいこと、好きなことがないまま大学生活送ってたのは事実だし。
そう考えると、今回の事件で得たものがあったんじゃないかと思う。
「さてと! 今日こそは認めてもらうんだから!」
私は気合い入れのために、らしくもなく大きい声を出してみた。