勿忘草をあなたに
Ep:0

降りしきる雨。
行き場を失った雨がアスファルトの上を漂う。

「かーえーるーのうたが〜」

ピンクの傘をくるくる回し帰路に着く少女。



「おかーさん、ただいま!」

家の鍵を開け、玄関へ入るも返事が聞こえない。

「おかーさん?」

リビングへと入るとそこに、知らない男が立っている。


その日は酷く雨が降っていた。

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