-泡沫-
毎日毎日小さないたずらを
されて、だんだん私の心は
弱くなっていきました。
これがなければ、
今の私は変わっていたかも
しれません。
小さないたずら、
物が移動していたり
机に「別れろ」などと
書かれていたり
上靴を隠されたり
通り過ぎ際に悪口を
言われたり……
言い出したらきりが
ありません。
相手は決まって集団。
その集団と私は毎日
戦っていました。
しかしそのことは誰も
気づいていません。
もちろん優太も。
私が隠していたからです。
昔からなぜかプライドだけは
高かったので、
いじめられてると人に
知られるのが嫌だったのです。
でも少しだけ、優太に
気づいてほしいという
気持ちもありました。
気づいて、守ってほしい。
本当はそう思っていたのかも
しれません。