待ってろあおはる
少しだけ息を吐き。先輩は言った。
こんな風に。
ちづるちゃんを、泣かせたくなかったんだ…。
先輩は、ハラハラと落ちるあたしの涙を
その度に優しくぬぐう。
自惚れかも知れないけど。
プレゼントもらった時。
もしかしてちづるちゃんも、俺のこと
好きなのかなと思った。
ビックリしたし。嬉しかったんだよ?
でもね。近いうちに離れ離れになるかも
知れないのに、と思うとね。
簡単には…。
俺から一歩踏み出す訳には…。
いかないなと思ったんだ。
このまま、ちづるちゃんが俺を忘れて
くれれば…
きっとそれが一番いいんだと。
思ってたんだよね…。
このまま…忘れる?
先輩は!?
それでよかったの!?
ずるいよ。先輩ひどいよ。
あたし、何も知らなかったよ…!?
あたしが、電話しなかったら。
何も知らないまま終わってたの!?
先輩、あたしのこと、いらなかったの!?
言い終わる前に。
先輩は、あたしを抱きしめていた…。