待ってろあおはる
部屋についても、先輩は黙ったまま
だったけど。

ベットに腰掛けて、ちづる。と、呼んだ。

ん。と、隣に腰掛けると。

あたしに体を向けて、手をとった。

この間会ってから、どのくらいだっけ。

んーと、2週間くらい?

そっか。
そん時は、俺…気づかなかったけど…。
…ちづる、ちゃんと食べてるか?

え?うん。ちょっと食欲ない時もあったけど、
ちゃんと食べてるよ?

ほんとに?

あたしの手を握ったまま、引き寄せて
そっと抱きしめてくれた。

こんなに…なってるのに?
おまえ、痩せすぎだよ…。

え?大丈夫だよ。ちょっと痩せたかも
しれないけど…
そんなでもないよ?

どうして…
俺、全然気づかなかったよ…。
電話の声だけ聞いて、元気だって安心してた。

自分のことで、いっぱいいっぱいで…
ごめん…ちづる…。
全部、俺の…せいだ。

え?先輩は悪くない!
あたしが…あたし…
泣いてたら先輩困るでしょ?
元気だと安心するでしょ?
あたしが、そうしたかったの!
だから、あたし…勝手に我慢して…
あたしが…悪い…の…。

こらえきれずに、泣いてしまったあたしから
体を離して。

泣いていいよ。我慢しなくていい。

我慢なんか…しなくていいんだよ。

落ちる涙を、唇でぬぐってくれる。

顔をあげると、先輩も泣いていた…。

同じように、そっと涙にキスをすると。


ごめんな…ちづる…ほんとに…。
ごめん…。

優しく…でも、力強くあたしを抱きしめて、
先輩は、ポツリと言った。

どうしたら、いいんだろうな…俺たち。




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