冬の花火…そして…
『私のお父さんの仕事ってね、腕時計を作る仕事なんだ…。だからスイスに行くんだ…。』


『…どれくらい?いつ帰って来るん?』



『分からない…。多分、帰って来れないと思う…。』

僕は返す言葉が見つからなかった。


『よし!続きをしよっ。罰げ〜む。何の秘密を言うの?小さい事はダメだよ。もっと恥ずかしかった事とか話してよ。』


僕は突然の事で頭の回転は止まってしまっていた。



『好きだ!ずっと前から好きだった。俺はチィの事が好きだ!!』
気がつくと僕の心が爆発したように叫んでいた。



『……なんで?………』



『えっ!!?!』




『…私も……好き!!…。何でもっと早く言ってくれなかったのよ!…私もずっと前から好きだったんだよ?』


『言おうと思ったよ!卒業式の日…覚えてる?チィは自分の席に座ってただろ?あの時何度も声をかけようと思ったんだ!…?あっ!!!あの時、告白してくるの待っとったん?』


『待ってなんかいないよ!……私が…私が告白しようと思ってたの。』
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