冬の花火…そして…
『うそっ!?じゃあ、あの時のケイジの告白は…?』

『うん…断ったよ…。あの時、ユウサクに告白してれば…夏祭りにも一緒に行けて…一緒に花火も見上げてたんだろうな…。…それで…キスとかもしてくれたのかなぁ…。』



『……。』





チィはうずくまり目をおさえて泣きだした。


僕は取り返しのつかない事をした気分に襲われ泣きそうになり、チィを抱きしめることしかできなかった。


………


『もう大丈夫だよ。』
チィはいつもの元気な声で笑顔を作って言った。


『明日って、準備はしてきたん?』
僕も泣いていたのがバレないように元気な声で言った。


『早朝に旅立つから朝5時ごろお父さんが迎えに来るの。』


『そうか…今何時かなぁ?』


『うん…もう4時くらいかなぁ…花火…まだ残ってたよね。最後の噴水型の!』

『そうだな…もうあと一つかぁ…それより何で俺がここにいる事が分かったんだよ?』


僕はこの最後の花火が終わると全てが終わってしまう気がして花火の話題をそらした。
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