社会は私に死ねと
すると、サイは急に腕捲りをした。

サーモン色のカーディガンから彼女の手首が露になった。

そして、その手首をそっとネムに見せつけてきたのだ。

手首には、無数の自傷行為の跡が生々しく残っていた。


リストカットであった。


ネムが傷に食いついていると、「これでもネムは私が毎日楽しそうに生活していると思うんだね」とサイが一人言の呟いたのだ。

ネムにはサイへ向けて言いたいことが沢山あった。

しかし言葉が出てこなかった。

その傷跡はなに?

なんでリストカットを?

サイはこんなこと、ファッションでもするような子じゃない!!
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