気持ちいい恋、始めませんか?
だけど、やっぱり一方通行は複雑だ。


やっぱり想いが通じ合ってるほうがいい。


身体だけ繋がっても。
いくら気持ち良くても。


それは私の望んでいるものではない。



もし、高遠さんがそれを望むのであれば。


...でも私は受け入れることはできないだろう。


だから、今、この状態で私は彼に問うたのだ。


彼の返事次第で、私は今すぐ服を着て帰る。
その確率が高いこともわかっている。
心は覚悟ができている。


「...オレにも聞かせてくれ」


返事の前に低い声で訊かれる。ふと見上げると、高遠さんはまた不機嫌な顔に戻っていて。



「お前の中で、オレはどんな男だ?」
「ふへっ?」
「今、お前が考えているオレは、たまたま告白してきた女を性欲満たす為だけに抱いたヒドイ男か?身体だけの関係を迫るサイテー男か?」
「いや、そこまでは...」
「似たような事考えてたのかよっ!」


はぁっとため息をついて高遠さんは私の胸の上で頭を垂れた。
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