気持ちいい恋、始めませんか?
「米山!元気にやってるか?頑張ってるか?」


エレベーターで一緒になった高遠さんはいつもとかわりなく気さくに声をかけてくれた。


「はい!高遠さんいなくなって厳しい人いなくなってのびのびやってますよ、なんてウソです。ごめんなさい」


言葉の途中で睨まれたので早々と訂正してお詫びしました。


「オレは異動で何が心残りだったって、お前のことだよ」
「えぇ?私、ちゃんとやってましたよね?そんな心配かけるようなことしました?」


エレベーターをおり、エントランスまで話しながらすすむ。


「お前、仕事中悩みだすと、一人言言い出すだろ?」
「うっ、...それは...気をつけては、いる、んですけど...」
「また始まったぞ、米山、ブツブツ言ってるぞ。誰か助けてやれ。ってみんなオレを見るんだよ。オレは、お前のブツブツ止め係じゃねぇんだよ」
「そ、それは、ご、ご迷惑をおかけして...」


確かに困っていると、いつも高遠さんが声をかけてくれて、一緒に問題を解決できるよう導いてくれた。
その優しさが、私の恋心を加速させたのだけれど。
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