気持ちいい恋、始めませんか?
高遠さんは熱くて激しい、だなんて言っていたけど、そんなことはなかった、と思う。


触れる手が、唇が、素肌が。
とにかく温かくて優しくて気持ちが良くて。


激しい刺激や快感、と言うよりも
じわじわと、ふわふわと、何度も震えた。


初めてだった。
初めての感覚だった。


思い出したら、また身体が震えてしまう。


それを、鋭い高遠さんが見逃すわけがなくて、



「そんなに良かった?思い出して震えるほど?」


高遠さんの口を覆っていた手を外され、その手に唇を寄せられる。何度もそれを繰り返す高遠さんをじっと見つめていると、


「にゃっ!」



急に身体を引き寄せられたかと思うと、高遠さんとシーツの間に組敷かれていた。



見下ろす高遠さんの瞳は昨夜の熱い瞳で。



「オレも、思い出したらたまんなくなった。...ほら」


そう言いながら、瞳と同様に熱くなったものの存在を私の太腿に示した。


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