恋のカタチ
廊下を走って下駄箱に着くと、


「息切れすぎ」


下駄箱にもたれてスマホをいじっていた宮村くんが私を見て呆れた表情を浮かべる。


全力で走ったせいかうまく呼吸ができなくて膝に手をついてゆっくり息を吐く。



「焦らなくてもゆっくり来ればよかったのに」


「だっ、て宮村くんが、待ってるから」


息を整えながらそう言うとなぜか宮村くんは笑って、


「なんか美優って飼い犬みたいだな」


ぽんぽんと私の頭を撫でる。


ぶわっと顔が一気に熱くなる。



「な、な、なんで私が犬なの?」


「だって俺が下で待ってるって聞いたらダッシュで来るとか可愛すぎだろ」



なな、何言ってるんだこの人は!!!


か、か、可愛い??



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