恋のカタチ
宮村くんが話してくれなくなるのは、嫌だ。



……でもなぁ。



「…重くても、引かないでよ?」


小さくそう呟いた私に宮村くんは少し笑って、



「そんなことで引かねえよ」



穏やかな声でそう言った。


「ほら」ってもう一度言われて私はゆっくりと宮村くんの背中に乗る。



宮村くんから、柑橘系のにおいがする。



香水だと思うけどサッパリとした柑橘系の匂いに、なんだかすごく落ち着く。


宮村くんが私を背負って立ち上がった時に、ふわっと風が吹いて宮村くんの髪が揺れた。



至近距離に宮村くんの顔があってなんだかすごく緊張する。

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