恋のカタチ
ゆっくりと歩き出す宮村くんは黙ったまま。


公園を出た時に、宮村くんは少し迷ったような顔をして、


「……彼女がいたんだ」



苦しそうに、そう言った。



……そんなの、前から知ってたよ。



ずっとずっと前から、知ってたよ。



ゆっくりと過去の話をしてくれる宮村くんは下を向いて暗い顔のまま。



「……あいつは2歳上の幼なじみで、物事ついたときにはいつもあいつの事しか頭しなかった」



「………うん」



宮村くんの言葉だけで、宮村くんがどれだけ“あの子”のことを大切に思っていたのか痛いほどわかる。



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