Home run[仮]



「…じゃあマネージャーになってくれる?」


と、梓に聞いてみた。


「えっと…野球のルールもわからないのに
私がマネージャーなんて…」


断られると俺は勝手に予想してたけど
そんな理由なら…


「んなもん、俺が教えるから」


「えっ…ありがとう」


「俺は厳しいよ、覚悟して」


「が、頑張ります」


っていう梓の顔がまたコロに似てて、
笑ってしまったのは梓には言わないにしておこう。



「あっ、じゃあここで。そこの道曲がったらうちすぐなの。」


楽しい時間はあっという間に過ぎていくもので、もう梓の家の近所まで来ていたらしい


「わかった。気をつけてな」


「送ってくれてありがとう、また明日ね」


"また明日"と言いかけて、気付く。



せっかくのチャンスに連絡先も聞けないままかよ…


また明日〜になっちゃったら、
学校で連絡先なんて絶対聞けねー!


…今聞くしかないだろ、俺。


「…梓」

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