Home run[仮]


「なに?」


声をかけると顔をあげて私を見上げてきた。


入学式の時は横顔しか見えなかったけど
やっぱり整った顔をしていて、世にいうイケメンがそこにいた


「通ります、すみません」


「…あぁ、悪い」


2人の間を抜け、自分の席に着く。
なんだか黒髪の彼に見られている…ような?いや、気のせいかな


「初めまして!すげえ美人だね
俺、並木涼真。よろしくな」


「初めまして、梓です。
こちらこそよろしく」


彼と一緒にいた男の子に話しかけられた。
美人だねなんてサラリと言うからどんな顔をしたらいいのか困ってしまった


彼の名前…聞いてみようかな…


「えと…そっちの…」


「ああ、こいつ?桜庭拓斗。
俺の友達!小学生ぶりに再会したんだよ」


「そうなんだ!拓斗くんよろしくね」


彼の名前を聞けたことがなんだか少しだけ
嬉しくて自然と笑顔がこぼれた
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