それでも、好きなの。








「なんやねん、ほんま今日元気ないやん。」



授業中、今日は2回も和哉からの会話。
始めの頃は想像すらできなかった。




「ん~顔が濡れてるから…」


「アンパンマン気取りか、あほ!」




正確には心が病んでるんだけどね…。






「なぁお前さ…もしかして昨日、見た?」



「な、なにが…?」





ややややや、やばいかも。




「教室の、やつやねんけど…」


「告白現場なんて、そんなっ!」







「やっぱな…見とったんか。」




ひぇ―私のあほ―!!



「あれで、俺の事引いたんか…?」



「…ううん、そんなんじゃないよ。」








「先生、ちょっとこいつ調子悪いみたいなんで保健室連れてきます。」




と、突然和哉が言い出した。



はぁ!?…なんて思うほど空気が読めない訳じゃない。ちゃんとしんどいフリをして、出て行った。





告白をしなきゃいけないかも…という不安が私の心を襲う。



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