勘違い、恋愛屋。+
第一章 メルヘン
恋はきっと儚いもので。
きっとすぐになくなるもので。
それを失くしたくないからこそ、きっと皆頑張るの。
好きな人の前で、綺麗に可愛く着飾って。
好きな人に少しでも、想ってほしくて。

それでも、届かない事だってある。
それを経験した。 今。ついさっき。
馬鹿みたいじゃない? 知ってる、私は馬鹿だ。 
ポロポロと涙が出てきた。
高校一年の私、『橋元苺』は、先輩が好きだった。
このまま片思いのままでいいか、とも思ったけど、先輩を前にすると。
諦められなくて。
ついに、やっと交換したSNSアプリのメッセージ機能で、告白してしまった。

結果は、今の私の現状で察せる通り…
____…見事に玉砕。

そんな波乱万丈の(なんて、自分で言うのもおかしい話だけど)私の恋物語は終わった。
未だに、メッセージの画面を開いたままで、光る形態の文字が「ごめんなさい」と表示している。

きっと、あの先輩は上手くいく。
好きな人がいるって、知ってたけど。
それでも、やっぱり辛いものは辛いんだよ…。 
既読無視の状態になっているSNSアプリの通知が増え、手を伸ばすと「大丈夫?」と優しい言葉が増えてた。
もう、優しくしないで…。

「ありがとうございました。」
と震える手で打ち、送信する。
もう一度タップして、ニコニコと、笑った顔文字を送った。
それ以上、先輩からはなんの返信も来なかった。

明日、どんな顔して行こう。
どんな気持ちで挑もう。
何もないフリだって、出来るわけないのに。
涙の後特有の目の痛みが、ツンっと来る。
それと同時に、胸に痛みがギュッと走った。

「大好き、大好き…」
泣きそうな声で、最後のお別れを告げよう。
「ずっと大好きでした…、先輩」

どうやら明日は、目の腫れは隠せそうにない。
< 1 / 2 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop