明日の俺は、
「まだ名前言ってなかったよね?僕は、杉原悠斗。32歳。タメ語でいいよ、敬語嫌いだから」

年齢を聞いてちょっと驚いた。実年齢よりかなり若く見える。

「俺は、」

「トモヒロくんでしょ?カードに書いてあった。何歳なの?」

「21歳です」

「タメ語でいいってば。21歳かぁ~若いな、ピチピチだな~」

「いや、杉原さんの方が若く見えると思いま…思う」

「あははっ、僕もそう思うよ」

「ははっ…」


この人、なんなんだ?
なんでさっき初めて話した奴にこんなに馴れ馴れしく…
…いや、こんなに人当たり良く話すことができるんだ?

…俺には無理だな…


「あ、ここね!ここで食べよう」


紹介された店は、外装から見ても和の雰囲気で懐かしい感じが漂っている。
内装にもこだわっていて素敵なお店だ。

注文は杉原さんに任せた。
注文した物が運ばれてくると目の前のテーブルに美味しそうな料理が沢山ならんだ。


「ここはさ、カウンターか個室なんだけど、個室は全室 畳でね。
落ち着くんだよ~、料理も美味いし!いただきます!」

「いただきます!」


美味しい料理を食べながら、杉原さんと色々な事を話した。


「俺もさ、高校出るぞ!って時に、就活がうまくいかなかったんだよ。
でも、すぐに諦めた。だから、30過ぎた今でもフリーター」


「…辛い?」

「うーん…まぁ、辛い時もあるけど、どんな仕事でもそうでしょ?
仕事してたら辛い事なんて沢山あるって。」

「そう…ですね」

「自分で決めた道だし。…僕はさ、ダメなんだよ。ずーっと同じ仕事をするって。
一度っきりの人生だし、色んな事がしたいんだよね。フリーターも悪くない。」


楽しいんだよ、今が。

そう楽しそうに語る杉原さんの顔は、とてもイキイキしていて

羨ましかった。


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