冷たい花に偽りの太陽を
お兄ちゃんのお墓の前。
息を切らしたまま、しゃがむ。
プレゼントのラッピングを丁寧に開け、お兄ちゃんに中身を見せた。
「今年は長財布にしたよ」
蓋を閉めてお墓に置いた。
「…お兄ちゃん、あのね、来兄に会ったの。あたし、怖くなって震えちゃった。また傷つけちゃった。」
あたしの声が震える。
変わりたい。
変われない。
あたしが変わらないから周りも変わらない。
来兄に謝りたいのに、それすらも来兄を傷付ける。
「お兄ちゃん、あたし、どうすればいいの?」
仲間と言ってくれる人がいる。
友達になろうと言ってくれる人がいる。
でも、頼っていいのか分からない。
頼り方が分からない。
お兄ちゃん、あたし、やっぱり笑顔でなんていられない。
ごめん、約束守れなくて。
でもあたし、生きていくのに精一杯だよ。
「…また、来るね。」
あたしは立ち上がった。
そしてお墓に背を向けて歩き出す。
弱いあたしはもういらない。
あたしに泣く資格なんてない。
頼る資格なんてない。
だってあたしは、ヒトゴロシ。