冷たい花に偽りの太陽を


バイクに乗れば、あっという間に倉庫についた。



慧はバイクを置きに行った。



1人で倉庫を見上げる。



……これは、あたしに入ってろってこと?



あたしは悩んだ結果、入ることにした。



ここにいてもすることないし。



中に入ったところでする事は無いんだけど。



倉庫の中に1歩踏み込めば、この前と同じように男達がワイワイと騒いでいた。



ワイワイというよりギャーギャーというか…。



とにかくうるさい。



なにここ動物園?



中には入ってみたものの、どこに行けばいいのかわからない。



あたしってここにいるべき?



それともこの前行った部屋?



「…愛夢さん!?」



あたしの一番近くにいた男があたしに気づく。



「…え、一人で来たんすか?」



「…いや、慧と……」



みんながほっとしたような顔をする。



なにに安心しているのか分からないけど。



「………ねぇ、あたしってどこ行けばいいの」

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