冷たい花に偽りの太陽を
まず自分のことだし。
「あのね、それ、嘘だから。」
「...え、うそなの!?」
だから黙れって言ったじゃん!
なんでそこで大声出すわけ!?
ほんとうるさい...。
「...睨んでもないし。殴ってもない。」
「え、そうなの!?...ってかなんで愛夢がそんなこと知ってんの!?」
「黙れって言ったよね?」
あたしは作り笑いをしながら心織の顔を見た。
心織はそんなあたしを見て、はい!と言って背筋を伸ばした。
いや、だから黙れって言ったんだけど...。
まあいいか。
「.....ちょっと、ね。」
ここで、それはあたしだ、なんて言ったらまたうるさくなるに決まってる。
だから少なくとも今は言わないようにしておこう。
鐘が鳴り、心織は慌てて席に戻っていった。