冷たい花に偽りの太陽を
慧はあたしを教室まで送り届けると、どこかへ歩いていった。
おそらく特別棟の屋上だと思うけど。
「おっはよー!あむちん!」
「………………………おはよ」
「おはよの3文字までなっが!!!無視られたのかと思ったよ!!」
キャンキャンと騒ぐ心織はまるで子犬だ。
見た目も小動物みたいだけど。
「…あ、そうそう!あむちんさあ、全く授業受けてないから先生たちに目付けられてるよ?」
「……………へぇ」
「え!?それだけ間をあけて返答は2文字!?2文字言葉を発するのにどれだけ時間かかるの!?」
今日の心織は格別に煩いみたいだ。
それに、目をつけられていたって関係ない。
だってあたしには、1位をとらなければいけないから。
それ以外は認められないから。
HRが終わり、あたしは席を立った。
「…あむちんは今日もサボり?」
あたしは小さく頷き、荷物を全て持って教室を出た。