冷たい花に偽りの太陽を
少し埃っぽいけど、掃除すればいけるかな。
あたしは埃をかぶった掃除ロッカーを開けた。
中は元々綺麗だったのか、ほうきやちりとりは綺麗だった。
あたしはまず一本目のほうきで天井や壁、とりあえず上の方の埃を落とした。
その後床を違うほうきで掃き、ちりとりで集める。
あたしは雑巾がないことに気がついて、近くの100円ショップまで歩いていった。
歩いていると、平日の昼間だからか、周りにチラチラと見られた。
まあ当たり前だけど。
2枚入の雑巾を購入し、また学校に戻る。
そして床の雑巾がけをした。
そこそこ綺麗好きなあたしは、別に掃除をすることが苦ではない。
むしろやるんだったらとことんやりたいし、汚い部屋にいるのは嫌だ。
あたしは窓を拭き、黒板に書いてあるいつのだか分からない落書きを消した。
視聴覚室が綺麗になった時には、もう午後2時になっていた。
昼食を取るのを忘れていたが、そもそも昼食を持ってきていない。
買いに行くのも面倒だし、あたしは綺麗になった床に寝転がった。
少し体が痛いけれど、床だから仕方ない。
明日はほかの教室から椅子と机を持ってこよう。
あたしは綺麗になった視聴覚室の鍵を内側から閉めて、窓から外へ出た。
ほかの人にここを使われたくない。
幸いこの教室は一階にあるから、誰にも見つからないように窓から出入りすればいい。
あたしは上履きのまま、コンクリートの中庭を歩き昇降口に行った。
昇降口で靴を履き替え、あたしは家へと足を進める。
なんのために高校に入ったのかわからないけれど、とりあえず高校に来ていればいい。
...と、思うことにした。
うん。授業は受けたくないし。
テストで1位を取ればいいだけだし。
あたしはイヤフォンして、曲を流した。
みんなはきっと、授業を受けてるんだろうな。
あたしは帰るけど。