冷たい花に偽りの太陽を
CHAPTER.2
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あの日まで、泣いても叫んでも終わらなかった。
あの日々を終わらせてくれたのは紛れもない彼で。
そんな彼に少し、ほんの少しだけ感謝してたと思う。
でも感謝よりも恐怖の方が勝ったから、あたしは彼を傷つけてしまった。
────彼はあたしを守るために両親を殺した。
それは分かってる。
分かっていても、あの日、あの瞬間、彼が恐怖の対象になった。
ずっと死にたいと思っていたのに、死ぬのが怖いと思ってしまった。
死ぬのが怖いと思ったのは、あの日が初めてだった。
あの日から、あたしは生きるのも死ぬのも怖くなったんだ。
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