冷たい花に偽りの太陽を
次の日、あたしは学校を休んだ。



どうしても頭からあの日の光景が離れてくれなくて。



家にひとりでいるのも嫌だったけれど、それ以上に、人がたくさんいるところにいたくなかった。



男の人がみんな彼に見える。



街を歩いている夫婦やカップルが、みんな両親に見える。



赤を見ただけで、体が震える。



こんな状態で学校に行ったら、あたしはきっと正常でいられない。



元々、あたしは正常なんかじゃないけど。



きっと他人に弱みを見せてしまう。



あんな高校、休んだところでどうってことないし。



学年一位を取ればいいだけ。



あたしが学校に行く必要なんて、どこにもない。



そもそも、なんで高校なんて行ってるんだっけ?



分からない。



あれ、あたしって、なんで生きてるんだろう?



なんのために生きてるんだろう。



分からない。分からないよ。



「...っ」



体が震える。



もう声も出ない。

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