冷たい花に偽りの太陽を


“あたしって生きてる必要ないでしょ?”



また、もう1人のあたしの声が聞こえる。



あなたは誰なの?



それはきっと紛れもないあたし自身で。



でもあたしじゃない。



ううん、正確に言うとあたしなんだけど、存在しないはずの“あたし”っていうか。



多分そんな感じの“あたし”の声を聞いて、もっと体が震える。



“なんでそんなに必死に感情を殺してまで生きてるの?”



なんで、なんて聞かれてもわかんないよ...っ!



あたしだって、出来るなら早く死にたい。



でも死ぬ勇気なんてなくて、生きているだけ。



生きていることに意味なんてないし、あたしに生きてほしいと思っている人がいないのも知ってる。



そんなこと分かってる。



でも死ぬ勇気が出ない。



あたしだって、何度死にたいと思ったからわからない。



でもそれを行動に移せることは無かった。



毎回、死にたいと思うだけ。



死にたいと思いながら生きて、もう何年も経った。



最初に死にたいと思ったのはいつだっけ?



物心ついた時から、もうずっと思っていたのかもしれない。



「落ち着け...落ち着け......っ」



あたしは自分の体を抱きしめるように丸まった。



昨日からずっとこんな調子だ。
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