冷たい花に偽りの太陽を
きっと死んでしまった女の子も、恐怖だったんだろうな。
それとも、どんな形であれ親だから、嫌いにはなれないのかな。
後者なら、あたしとは全然違う。
あたしは欠陥人間だから。
冷蔵庫を開けて、昨日買ったゼリー飲料を手に取る。
思っていたよりも酸っぱくて、思わず顔を顰めた。
全然味なんて気にしてなかったけど、グレープフルーツ味だったんだ。
どうりで酸っぱいわけだ。
まあでも別に飲めないこともないし、あたしはそのまま飲み続ける。
少し飲むのに疲れてきた頃、ゼリーがなくなった。
あたしはため息をしながらゴミ箱に捨てる。
今度からは買わないようにしよう。
ゼリーを吸うのがとても疲れる。
あたしの肺活量がないのが悪いんだけど。
気づけば7時半になっていた。
あと30分、なにしよう...。
テレビはさっき消してしまったし、朝ごはん代わりのゼリーも食べた。
学校にはほとんど持っていくものがないから、準備するものがない。
薄っぺらいリュックにペットボトルを入れるだけだ。
あたしは仕方なくスマホを開いて、またパズルゲームをやり始めた。
やっぱりそれは簡単で、全然終わらない。
あたし、永遠と出来るかも。
ただ黙々と30分ゲームをやり続ける。
8時になる2分前に、あたしはゲームを終わらしてペットボトルをリュックに入れた。
戸締りを確認して家から出る。
昨日分かれたコンビニには、慧がいた。
「おはよ、愛夢」
「.........約束なんて、してた?」
「ううん、してない」
それじゃあどうしてここにいるの。
まさか登下校も一緒じゃないとダメなやつ?
めんどくさ...。
あたし最近、めんどくさいって思うことが増えた気がする。
それから、ため息をつく回数も。
「......バイクじゃないんだ」
「一応進学校の首席だからね。流石にバイクで登校はできないんだ〜。」
「...............髪染めてるのに。」
あたしの言葉が聞こえていないのか、聞こえていないふりをしているのかわからないけど、慧は「じゃあ行こうか!」って言って歩き始めた。