冷たい花に偽りの太陽を
そしてあたしも相変わらず罵声を浴びせられる。
痛くも痒くもないんだけど、あたしの前に座っている心織の顔が歪むのが少し気になる。
なんであたしより傷ついてるの?
悪口を言われているのはあたしなのに。
「今日も来たの〜?」
「あんたの居場所とかないんだけど!」
高い声で笑う彼女らを無視する。
居場所がないことなんて分かってる。
ずっと前からあたしの居場所なんてどこにもないんだから。
「ちょっと聞いてんの〜?」
懲りずにあたしに突っかかってくる彼女らは、本当に頭がいいのだろうか。
この学校にいるだけで頭は一応いいんだろうけど。
そんなことを考えていると、上からゴミが降ってきた。
「きったな〜い」
「ちゃんと掃除しといてよね!」
ゴミ箱が、あたしの横にガコンッと音を立てて落ちた。
あたしは無言で立ち上がりほうきとちりとりでゴミを集めると、ゴミ箱の中に入れた。
彼女らはそんなあたしを見て爆笑してるけど、残念ながら思い通りにはならない。
というか、彼女らの思い通りにはしたくない。
心織は終始泣きそうな顔をしている。
あたしはゴミ箱を持って彼女らに近づく。
そして────
「きゃっ」
真ん中にいる女子の上でゴミ箱を逆さにした。
ゴミが彼女に降り注ぐ。
あたしはゴミ箱を彼女らの足元に落とした。
「...汚いから片付けといてよね?」
あたしは彼女らにそう告げて、自分の席に座った。