冷たい花に偽りの太陽を
「あむりんりんごじゃむ!!」
「うわぁ...っ」
あたしの名前を叫びながら抱きついてきた心織を支えることが出来ず、そのまま後ろに倒れ込む。
背中が床に鈍い音を立ててぶつかった。
絶対あざ出来るじゃん。
心織はあたしの胸から顔を上げると、あたしの上に座っている状態になった。
.....なんでそこまでいって起き上がらない。
あたしの上から退いてよ!?
いくら背の低い心織でも、上に乗られてたら流石に重いわ!!
「ちょっと心織、早く退い────」
言葉を失った。
心織は瞳に涙を貯めて、あたしを見下ろしていた。
今にも涙がこぼれそうで。
あたしは、結局周りを傷つける。
「あむ、なんで────」
「心織退いて」
あたしは平静を装って心織の言葉を遮った。
心織は1度瞬きをして、あたしの上からゆっくりと降りた。
あたしは起き上がり、開いたままのドアを閉める。
ガチャンと鍵をかけてまた心織の方を見た。
なにがあっても心織を突き放さなくちゃ。
そうしないと心織まで、あたしと同じ目にあう。
あたし達は向かい合うようにして床に座った。
「.....で?」
「え...?」
キョトンとした顔であたしを見て首を傾げる心織にため息を零す。
「話があるんじゃないの」
「うん.....」