冷たい花に偽りの太陽を
心織はあたしの目を見て、口を開いた。
「.....なんで、あんなこと言ったの?」
あんなこと、ね。
「本当にそう思ってたから。」
「...っうそ!絶対愛夢はそんなこと言わないもん!」
ねぇ心織。
この世界に“絶対”なんてないんだよ。
そんなものは存在しない。
「心織の目にあたしがどう映ってるのかは知らないけど、あたしは心織の思ってるような人間じゃないの。」
心織の目に、あたしはどう映ってる?
あたしには分からないし、聞く気もないけれど、きっと心織はあたしをちゃんとわかってない。
分かってないからそんなこと言えるんだよ。
「愛夢...。私、愛夢とはまだ出会ってから日は浅いよ。けど、他の誰よりも愛夢のことを分かっているつもり。...まあ家族には負けるだろうけど、少なくとも学校の中ではね。」
心織はあたしから目を逸らさない。
そんな心織の目は力強くて、あたしにはないものだった。
「...だからね、みんなの前で私に言ったことは本心じゃないと思ってる。」
心織はふわりと微笑んだ。