冷たい花に偽りの太陽を
「...そう。心織になにがあったのかはわかった。でも別に、あたしと関わる理由にはならないよね」
「うっ...そうだけど...」
あたしは静かに立ち上がった。
荷物を持ってドアに向かう。
「あ、愛夢待って!!」
心織はあたしの手を掴んだ。
「なに」
あたしは後ろを振り返る。
心織は瞳を潤ませてあたしを見上げた。
「私、愛夢と友達でいたいよ...っ」
心織に今まであったことを聞いたばかりだからかな。
すごく胸が締め付けられた。
わかった、そう言いそうになって、目を逸らした。
友達なんて、いらない。
そう決めたんだから。
「.....あたしは、友達なんていらない」
あたしは心織の手を振り払って教室をあとにした。
また、心織を傷付けた。
こうやって人を突き放して生きていく。
そんなあたしは、どんな人間よりも最低だ。
あたしはこの空き教室以外に行く場所なんてない。
面倒だけど教室にでも行こうかな。
教室に入ると授業中だったのか、全員席に着いていて黒板の前には女の先生が立っていた。
「...住吉さん、どこに行ってたんですか」
「...............すみません」
返答としてはおかしいけど、謝っておけばいいでしょ?
まあ全く悪いとは思ってないんだけど。