冷たい花に偽りの太陽を
トイレに着くなり思い切り突き飛ばされた。
あたしはトイレの床に転がる。
そんなあたしを見て、女達は笑っていた。
「きったな〜い」
「お似合いなんじゃない?」
「あんたトイレが1番似合ってるよ〜?」
ゲラゲラと笑う女達。
どうしたらそんなに笑えるの?
どうしたら感情を持てるの?
今更欲しいだなんて思わない。
けれど、もしあたしがあんた達と同じ生活を出来ていたなら、と思ってしまう。
結局何も変わらないのに。
「あんたさぁ、ほんと何様?超ウザイ。」
あたしがゴミをかけた女が、あたしに近づいてそう言った。
その手にはホースが握られている。
そして────。
「あたしが綺麗にしてあげる」
女はホースであたしに水をかけた。
もう1人の女がバケツを持って近づいてきたかと思えば、そのバケツをひっくり返した。
頭からバシャッと水をかぶる。
これじゃあ下着までびしょびしょじゃん。
保健室に行ったところでジャージしかないだろうし。
まだあと半日あるし。
それにこの姿を慧に見られたら絶対面倒なことになる。
反応しないあたしが面白くないのか、女達は帰って行った。
「はぁ...」
もうどうしてくれるの。
こんな濡れた状態で行ったら心織になんて言われるか...。
いいや、とりあえずもうどうしようもないし心織の所に行こう。