冷たい花に偽りの太陽を
控え目に屋上のドアを開ける。
キィと微かな音を立てて開いたドアの先には、慧先輩がフェンスに凭れて座っていた。
寝て、る...?
慧先輩は動かない。
ゆっくりと先輩に近づくと、先輩は瞳を閉じていた。
やっぱり寝てた...。
私は慧先輩を起こすか起こさないか少し考えて、反対側のフェンスに寄りかかった。
起こすのはやめておこう。
気持ちよさそうに寝ているし、起こすのは少し申し訳ない。