冷たい花に偽りの太陽を


って、こんなことを考えていたって仕方ない。



だって今はまだ何も愛夢のことを知らないし、ここでいくら考えていたって、それは全て私の推測でしかない。



“かも”とか“もし”とか、そんな不確定要素ばかりの推測なんて、なんの意味も持たない。



ふ、と私に影が落ちる。



私が顔を上げると、私の前には慧先輩がいた。



あ、先輩起きたんだ。



...ってそうじゃない!



待って、こんな至近距離はちょっと...!!



私の心臓が持ちません!!



徐々に顔が赤くなっていくのがわかる。



別に好きな訳じゃないけれど、やっぱり誰だってイケメンが至近距離にいたら照れる!!



鼓動が加速する。



「誰?」



慧先輩の声が私の耳に入り、私はテンパリながらも答える。



「え、えと、1年C組15番、宍倉心織、愛夢と友達やってます!!」



.......。



待って、私今なんて言った?



学年とクラスまではいい。



なんで出席番号!?



職員室入る時かって!!



しかも“愛夢と友達やってます”って意味わかんないよ!!



友達やってるってなに!?



頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。



どうしよう、緊張で頭の中が真っ白だ。



「...ふはっ」



突然上から声が聞こえたかと思えば、慧先輩が吹き出していた。



「ふっくく、ちょ、あはははっ」



慧先輩は目の前にお腹を抱えて蹲りながら笑っている。



恥ずかしい。



恥ずかしすぎる。



どんな罰ゲームだよ!!

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