異世界にて、ファッション革命起こします!!
「みんな美形なのに、ボクの世界はファッションセンスだけが壊滅的なんだ!せっかくの美形が台無し過ぎる!」
グッと握りしめた拳を悔しげに顔を歪めて引く。
「ボクは美しいものが大好きでノルーチェを作ったのに、待てど暮らせどセンスの良い者が現れず1500年!ボクの我慢は限界なんだ!萌音、キミにはファッションセンスがある!そしてキミは美しく可愛いものが大好きだろ?」
よくご存知で。
私は美しいもの、可愛いものが大好きだ。
それを引き立てる服や小物を作るのが大好きでこの道、ファッションデザイナーを目指してきた。
私はコクと頷き、続きを促した。
「それで、ボクはいろんな世界から探してたんだ。素敵なファッションセンスの持ち主とそれを形に出来る人間を。そして見つけたのが、キミ、萌音だよ」
ニコッと告げてくれた、それは優しい顔だった。
「残酷だけれど、事実だから言うよ?これを見てごらん?」
突如目線の高さに現われるのは、私の世界のさっきまで居た所。
そこには血を流して倒れる私が居た。
そのそばには壁にめり込む車。
どうやら、私はこの車に巻き込まれていた。
「え?私はここに居るのに!」
叫ぶように言うと
「ごめんね、ボクは事故の直前に君の魂だけ引っ張り出したんだよ」
眉を下げて言う神様を呆然と見つめた。