傷だらけのヒロインを包むヒーローのぶっきらぼうな言葉の裏に隠された温もりの言葉が琴線に触れてきて、自分の明日に大切な人がいるということ、その人がいるだけで世界がキラキラするということ、誰かを想い想われるということ、それは本当に奇跡だと、ふたりの恋物語が教えてくれました。
「サユ、下ばっかり向くなよ」
「お前のことずっと見てるから」
「だからもう、自分がひとりだなんて思うな」
「ちゃんと生きてサユ。俺のぶんまで生きて。それで、いつかまた一緒にバイクに乗って海を見に行こう」
「約束だ」
「俺がいなくてもサユは生きるよ。俺が好きになったのは、そういう女だ」
苦しい日々の中で抱きしめ合い、心を通わせたふたりの結末は、バットエンドなのに、私の中ではハッピーエンドで、独特な世界観、切なくも温かい物語の余韻に浸り、かもしれない"でいいから、私もまた明日から一生懸命生きていきたいと思いました。