その先へ
「知ってたよ!知ってたけど、奏斗、ずっと私といてくれたじゃない!7年も、浮気もなんもしないで、私といたじゃない!なのに...なのに、何でよ?何でその気もないのに、私と、いたの、よ」


何の涙かわからないけど、ボロボロと涙がこぼれてくる。
泣きたくない。冷静に話をしたいと思っているのに止まらない。


「そんなの!そんなのお前が好きだからだろ!」
「だったら!だったらずっと一緒にいたいと思ってよ。結婚してずっと一緒にいようって、そう思ってよ!」



滅多に言ってもらえない奏斗からの『好き』を聞いたのに、虚しさのほうが勝ってしまう。


好きなら未来を考えてよ。二人で生きる未来を。


それを願う私はただの欲張りなのだろうか。


「...だから、それとこれとは別なんだよ!結婚なんてもんに縛られたら、気持ち離れたときにどうすんだよ。今、今好きで一緒にいる。...なんでそれがダメなんだよ...」


だんだん小さくなる奏斗の声。頭をかきむしって大きなため息もついた。それを聞いて余計私の涙は止まらなくなる。
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