ある日突然!?
ーー「っ!」



「雪…香」



顔は殴られ腫れて、身体もボロボロなのがすぐ分かる程なのに、

私にいつもの笑みを向け、律の優しい手が頬に触れた。



「大……丈夫…だよ」



大丈夫じゃないじゃないか。

目を…背けたくなる程ボロボロで、痛々しくて。



頬の律の手を離させる。



「!…雪…香」



そんな悲しそうな、泣きそうな顔しないで。



住む世界が違った。分かっていた。



組と財閥。世界と全国。



「さよなら」



「っ!!」



私はそう言い、立ち上がった。



「雪…香、お願い、待っ…てっ……。行か…ないでっ」



そんな泣きそうな律の声を聞きながら、

私は気絶した戸賀で黒蛇白蛇毒蛇総長3人と亜夢を引き摺って倉庫を出た。



「雪…香っ!」



名を呼ばれているのを無視して。

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